ひろゆきの言う「水平思考」とは何か?
はっきり言って、この「りんご10個を3人で分ける」問題への回答、そんなに斬新かな?とは思いますけど、一つの答え方ではありますよね。「正解」はない(または複数ある)だろうから、暗記系クイズのようには解けません。「lateral thinking」という奴です。
(info source: https://president.jp/articles/-/64512?page=1)
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対になる「logical thinking」のように、系統立てて考えるだけではなく、文脈を広くとらえ、「問題空間」を拡げて、「そもそも何が問題なのか」を関与するプレイヤーたちで異なる視点を取り入れて考えるものです。
例題として挙げられている「エレベーターが遅い問題」は、この手の思考スタイルの上手な説明になります。実は、「problem-solving(問題解決)」を研究する認知科学者たちも同じように考えます。つまり、「エレベーターが遅い」のは「状況説明」なだけで、それが「問題」ではない。もう数ステップのほぐしを加える必要があります。
彼のように、ここで人間の心理的なものもカウントすることが許されるなら、私だったら3個ずつ分けた後、最後の一つは、特に強い要望を持っている人に与えます。
そして、今回の問題空間の外で、例えば次回、みかんの分配が問題になった際に、みかんが好きな人が最後の1つをとる、また、次がバナナなら、バナナ好きが最後の一つを取るという風に、時間軸を広く取って解決策を出すでしょう。その方が、労力も少なく満足度も高く、むしろ後々の信頼感(「心理的負債」の活用で)をグループ間に醸成することができるかも知れませんね。
ここで気づくように、「1回きり試行という『スポット』解決が欲しい」のか、それとも、「繰り返し試行で解決する」ことが大事なのか、時間の採り方によっても変わりますよね。
皆が皆、(りんごを潰した)アップルジュースが好きな訳じゃないんでね!りんごの丸かじりを要望する人だっていますから。
全部を潰して単純化するあたりが、水平思考ではあるけど、まだ数学的解釈によりすぎてるなという気はします。もし、今回きりの解決法を出す必要があるなら、最後の一個だけりんごジュースにして3等分することも考えられます。
いずれにせよ、水平に問題空間を肥大させて課題を考えましょう、という点においては、ひろゆきは良い例になっていると思います。それを彼は「ずるい解決法」と呼ぶんでしょう。
でも、現実世界にはそんな問いばかりです。1回キリで終わるマーケティングの策なんて、誰も採りませんよ、今時のブランディング視点では。ゆえに、「ずるい」というか、むしろ「賢い」と言えるのではないかな。