「夢を与える」栗山WBC日本代表監督のリーダーシップ

「(今日の試合を)見ていた日本中の子どもたちがかっこいいなと思って、野球をやろうという子が必ずいる。そのことがすごく僕はうれしい」

先日のWBCで見事に昨年の王者アメリカ代表を破り3度目の世界一に輝いた日本代表。栗山監督のことばです。

(info source: https://www.asahi.com/articles/ASR3N54F3R3HUTQP01W.html

このxyzコーチングの「世代別ライフヒアリング」において、私は「X世代(1960-1985年前後に誕生)」のリーダーシップにおけるミッションを「夢を与える」と設定しました。監督の言葉はまさに、次世代の若者たちが、グローバルな野球に夢をかけられるような、本当に素敵なメッセージだと思います。

実際、彼は、1か月という短いWBCの期間中にも、次世代へ繋げようとするリーダーシップが滲み出た多くの言葉を残しおり、それまでの監督たちと少々毛色が異なっている気がしました。

例えば、「侍ジャパン」にヌートバーを何としても代表入りさせたいという強い意思を問われた際に、答えた言葉: 「グローバル化する世の中で、そういう人たちが(仲間として)『普通にいる』ということを、子どもたちに伝える責任がある」( Asahi.com「ヌートバーの代表入りに込めた栗山監督の思い 侍ジャパンの使命とは」)。開かれたグローバルな意識を持っています。

「日本プロ野球 vs 米国大リーグ」や、「日本代表」という言葉が躍るとき、ともすれば我々は民族主義的に偏狭なスピリットを発揮してしまいがち。それまで隠れていた「島国根性」を全開させてしまう下品な人々たちが、「リーダーシップ」を示すべき場所にも多くいることを発見し、寂しくなる瞬間です。

が、栗山監督にはそれがなかった。

彼がかつて、「あれがなければ監督になってない」とまで言い切ったアメリカの名作映画があります。そこに重ねた理想郷を、監督は実際に日本の栗山町で行っています(興味があれば調べてみてください)。日本では、私が米国へ大学留学する直前に封切られたケビン・コスナー主演の「フィールド・オブ・ドリームズ」ですね。

私が最初に住んだ米国の地が、この映画の舞台となるアイオワ州であったことも、私の記憶を強くしています。実際、住んでいる間にはトウモロコシ畑が広がる景色をそこかしこでたくさん見ました。

栗山監督は日本で野球を志し、プロ野球選手となり、アメリカの名作野球映画に大きな夢をもらい、それを胸に秘めて日本プロ野球の監督となり、「高校を卒業したらすぐ大リーグで挑戦したい」と意気込む大谷少年に、さらに準備してその夢を叶えられるよう(日本ハムの監督として)国内でサポートし、引き続き米国大リーグと交流しながら、彼をアメリカへ送り込み、そして今回、大谷選手を日本代表として招集し、ヌートバー選手も引き込み、ダルビッシュ投手も交えて、見事に世界に、日本の「グローバル野球の力」を見せました。

見事なグローバルエリートとしての彼のリーダーシップには、ただただ脱帽した、そんな1か月間でした。

(img souce: UnsplashAlex Gruberが撮影した写真 & UnsplashMike Bowmanが撮影した写真)

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