初めから人類にプログラムされている「協調性」と「優しさ」

今回の記事はこちら(info source):
https://greatergood.berkeley.edu/article/item/how_biology_prepares_us_for_love_and_connection

先日のネタに続いて人類の協調性や優しさに関する記事ですね。我々人類は、「Wired for cooperation and generosity」で、これは本当です。どんどん研究データが積み重なっている。そして、その側面を多分に持ち、示すことのできるリーダーシップが21世紀には流行っています。

(image source: UnsplashAndrew Thornebrookeが撮影した写真)

我々は、他の霊長類はもちろんのこと、他の哺乳類と比べても明らかに協調性や優しさといった性質を初めから高度に脳に組み込まれていてその行動が観察されます。「社会的生物」ってやつです。

そしてそれが、ゴリラには勝てず、チーターより早く走れず、オオトカゲより力が弱いにも関わらず、ホモサピエンスが地球を出し抜いた唯一の巨大な理由です。

その超絶基本的な生理学的機構として、我々の祖先は「喉」を徹底的に進化させましたよね。鳥は何千種類もの異なる方法でさえずることは出来ましたが、「喋る」機構の発生までには至らなかった。チンパンジーは、千を超える単語を覚えることができ、象徴的なやり方で人類とコミュニケーションを取れることも、比較認知科学の研究で既に分かっています。京都大学の霊長類研究所が有名ですね。でも、人類のような言語体系を作るには至らなかったし、我々のように「発話」できる喉の器官を持つことはできなかった。「発声」はできたが、話すことはついに出来なかったのです。

この辺りは、数か月前の日経サイエンスでも特集されてましたよね。その喉と言語を、我々のご先祖様たちが持つことで、コミュニケーションがとれ、グループを作ることができ、クランを発展させ、仲間で罠を仕掛け、刈り取った作物を保護し、文明を築くことにつながりました。

それらの身体的長所がが全てどこに向かっていたかというと、仲間を出し抜くためではないんです。仲間と強調し、仲間に同情し、仲間に優しさを見せるためであったというのが、昨今の進化心理学のコンセンサスです。

だからこそ、最近の進化心理学者たちは口を揃えて言うのです。生き残るのは、「the survival of the 【fittest】ではなくて、「the survival of the 【kindest】」なのだ、と。緊張感の中にも思いやりを巧く入れたリーダーシップで、イノベーションを起こしましょう。

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